自分自身で慰謝料請求をする際には、注意しなくてはいけない点がいくつかあります。
パートナーの浮気を知った場合、思わず感情的になってしまうのは当然ですが、間違った慰謝料請求の方法は、かえって事態を深刻にしてしまうことになります。
(1)脅迫・恐喝になってはいけない
慰謝料を請求するのは、浮気された側の当然の権利ではありますが、脅迫・恐喝などの犯罪になってしまうような請求方法は認められません。
例えば、「慰謝料を払わなかったら、家に火をつけてやる・殺してやる」というような請求は問題です。
また、「慰謝料を払わないと職場に浮気をばらすぞ」というような表現も要注意です。
(2)名誉棄損になってはいけない
パートナーの浮気が発覚したとき、怒りのあまり、相手の職場などに対して浮気を伝えてしまうケースがあります。
しかし、浮気の問題は、パートナーと浮気相手を対象とする問題で、職場は関係ありません。にもかかわらず、無関係の職場などに伝えるというのは、嫌がらせ行為として、名誉毀損にあたる場合があり、逆に慰謝料を請求されてしまうことにもなりかねません。
(3)時効を知っておかなくてはならない
慰謝料を請求できる期間には時効があり、「浮気があったこと」と「浮気相手」の両方を知ったときから「3年以内」となっています。
「浮気があったこと」と「浮気相手」の両方を知ってから3年経過してしまうと、慰謝料の請求ができなくなりますので、注意してください。
では、次のような場合は、どの時点からカウントするのでしょうか?
■1.浮気相手の顔は知っているが、名前や住所がわからない場合
浮気相手の名前も住所も不明で、慰謝料請求ができないという場合、時効はカウントされません。なので、浮気自体は3年以上前だけれど、相手の身元がわからず、最近やっと相手の身元がわかったと言う場合、3年経過していても、慰謝料請求ができます。
■2.浮気の事実と浮気相手の両方を知ってから、3年以上たっても浮気が継続している場合
浮気が継続している以上、もちろん慰謝料請求はできます。ですがこの場合、3年以上前の期間についての慰謝料は時効で請求できなくなります。つまり、どんなに長期間の浮気であっても、直近3年についての慰謝料を請求することになるというわけです。
■3.浮気の事実と浮気相手の両方を知ってから、3年以上浮気が継続し、その後に離婚した場合
この場合、「離婚のとき」から時効のカウントがスタートするとされています。ですので、離婚から3年たつまでは慰謝料請求できる、ということになります。